組織内の政治で体感した「利用可能性カスケード」
はじめに
最近スマートフォン用のアプリをリリースしたのですが、そこに至るまでに出てきた組織内の政治的な問題の一つが「利用可能性カスケード」かな?と思ったので書きたいと思います。
利用可能性カスケードとは
「報道などによりバイアスが政策に入り込むメカニズム。ある観念の重要性は思い浮かぶたやすさ(および感情の強さ)によって判断される。」
「利用可能性カスケードは自己増殖的な連鎖で、多くの場合、些細な出来事をメディアが報道することから始まり、一般市民のパニックや大規模な政府介入に発展するという過程をたどる。」
「わたしたちはリスクを完全に無視するかむやみに重大視するかの両極端になり、中間がない。」
他のアプリの問題を波及させようとする謎の品質管理グループ
どんな状況が起こったかというと、僕たちはチームでアプリを開発していてチーム内でスケジュールを決めたりします。同時に他のチームが別のアプリを作っていて、それぞれはほとんど独立して動きます。僕たちのアプリがもうすぐリリースできるというところまで来た頃、それよりも前にリリースしていた他のアプリで致命的な不具合が発生しました。そのアプリは僕たちのアプリとは構造も全く違うので、僕たちのアプリでその不具合が起こる事は考えにくいです。
しかしそこで登場してきたのが謎の品質管理グループです。組織としてリリースするものは品質管理で一応審査されるのですが、今回は僕たちのアプリのリリース直前になって他のアプリの不具合を話に出して僕たちがリリース後にまわしていた小さなタスクなどにも口出しをしてきました。
これは他のアプリの不具合が品質管理グループの印象に強く残り実際にはリスクの小さいところにまで過剰に手を染めようとしている状況だと思われます。こういったケースは報道と政治介入などでよく見られる「利用可能性カスケード」であるのではないかと思います。

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