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Android、行動経済学、ガジェットなどが好きです。日々感じたことなんかを書きます。

世代による複雑性の認識の違い

「今どきの若者は」とひと括りにして批判的に発言している人を内心よく思っていません。 しかし最近はそういう世代間のギャップも仕方がないのかなとも思います。

世の中の発展は複雑なものを抽象化(一般化)して単純なものとして捉えることで、より複雑な問題を解決してゆくプロセスの繰り返しなのだと考えていて、世代間の不理解もその複雑性の認識の違いから来るのだろうと思うようになったからです。

数学で例えると数字を変数に入れて関数を作り、その関数を更に変数に入れて別の関数を作り、式を作り…と言うように低階層の複雑性はどんどん隠蔽されてゆき、簡単なものに見えてきます。年をとって思考停止した人たちはそれを見て「私達が苦労したのに今の若者は怠けている」と感じるかもしれません。しかし若者は別の複雑性に挑んでいて、世代が違う人達にはそれが見えないだけなのだと言えます。

世代間だけでなく、専門性の違いによってもこの複雑性のギャップは生まれると思います。今は多くの場合抽象化は専門家によって行われていて、そのプロセス自体は専門外の人には理解が難しくなるので、テレビ番組などもよりわかりやすいものが受け入れられるようになっていっているのだと考えます。