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Android、行動経済学、ガジェットなどが好きです。日々感じたことなんかを書きます。

人って実は正確な数字を意識していないんじゃない?

はじめに

知り合いが「サントリー『伊右衛門特茶』は、長期摂取で腹部脂肪が増え始める “逆トクホ” 体重・体脂肪率・ウエストも変化なし」という記事をシェアしていました。それで思ったのが、人はわかりやすい数字(例えば体重など)意外は数字よりもストーリー性やイメージを意識するのではないかということです。

カロリー計算している人ってあんまりいない

ダイエットで痩せるか太るかというのは非常に簡単で、入れるエネルギーよりも出すエネルギーが多ければ痩せます。その入れ方・出し方にいろいろ方法はあるのでしょうが基本的にはその原則を外れることは無いはずです。

でも多くの失敗者は"トクホ"ブランドやテレビ通販の痩せるストーリーを信じて、自分の日常生活での入れる量はどれくらいで基礎代謝はどれくらいで…ということはあまり知りません。「今日はトクホのものを飲んだから」と言ってコンビニのケーキを食べたりする訳です。

数字の意味は気にしない

タウリン1000ミリグラム配合」何となくすごそうな響きです。タウリンにどういう効果があってどれだけの量を接種するとどうなるのかということよりも何となくすごそうな響きでさえあればいい物だと信じてしまいがちですね。1000ミリグラムってつまり1グラムってことですからね。

あからさまな確率無視

有名な話ですが、「勤勉でまじめでもの静かで、子どもの頃から本をよく読んでいたある男性が図書館の司書である確率と営業マンである確率はどちらが高いか」という質問(記憶で書いているので正しいストーリーではないと思いますが…)をされたら多くの人が司書である可能性が高いと答えるようです。確率論で言うと営業マンの数の方が司書の数よりも圧倒的に多いので営業マンである確率の方が高いと言えます。

また、「外交的で差別問題や社会問題に強い関心を持つ女性…」というように意図的に社会活動に関心のある人物像を作った後に「彼女の職業を確率の高い順に並べる」という問いがあります。この選択肢には「小学校の教師である」「書店員でヨガを習っている」などの中に「銀行員である」と「銀行員で、フェミニスト運動の活動家である」というのがあって、多くの人が「銀行員である」よりも「銀行員で、フェミニスト運動の活動家である」を確率が高いと評価します。これは明らかに間違いで、銀行員>銀行員かつフェミニスト活動家 という確率の不等号を考えれば「銀行員で、フェミニスト運動の活動家である」の確率が高いはずがありません。

アンカリング

人が全く想像できない数字を当てなければいけないとき、事前に何らかの数字を提示されると(当てなければならない数字に関係なくても)無意識的にその数字に引きずられてしまうことがあるようです。 *1

例えば富士山の高さを知らないとして、富士山の高さは8,848mよりも高いかと聞かれる場合と1,592mよりも高いかと聞かれる場合とでは前者の方が統計的に見ると相対的に高い数字を答える数が多くなるはずです。*2

おわりに

書いてきたように人の数字に対する考えは結構適当です。ダイエットの例のようにこの数字をもう少し意識すれば日常生活でも考え方が変わってくる気がしますね。

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

*1:アンカリング

*2:8,848mはエベレスト、1,592mは阿蘇山で、富士山の高さは3,776m